EEMBCがマイコン内蔵ペリフェラルの消費エネルギー・コストを検証するベンチマークを発表

 

 

カリフォルニア州エルドラド・ヒルズ — 2017912 付加価値を有し、実用的な組み込み向けシステム・ベンチマークの標準化を手掛ける業界団体EEMBC® 本日 EEMBC ULPMark™-PeripheralProfile (ULPMark™-PP)という マイコン(MCU)と内蔵プログラマブル・ペリフェラルの消費エネルギー効率を計測できるツールを発表しました。 ULPMark-PP は MCUベンダーが内蔵ペリフェラルをどの程度効率的に設計・実装したかを示すベンチマークです。この発表後 EEMBC ULPMark-PPでの最初のスコア結果も公表予定です。それには当該ベンチマークの有効性を示すため、EEMBC メンバーである STMicroelectronicsのマイコンでの結果も含まれます。

 

マイコン選定のうえで重要な一つの側面はチップに集積されたペリフェラルにあります。ペリフェラルはMCUコアをオフロードし、コアだけでできない機能を実行します。これらペリフェラルベースの機能にはADコンバータ(ADC)、リアルタイムクロック(RTC)SPIPWMなどがあります。これらの機能はすべてULPMark-PPベンチマークによってテストされ、その効率が分析されます。MCUを評価するため、ULPMark-PPはペリフェラルに対して様々な方法でテストを行います。

 

アナログ・デバイセズ社アプリケーション・エンジニア兼EEMBC ULPMarkワーキンググループ議長モニカ・レドン氏は「昔は特定プロジェクトに適したデバイスかを理解し、評価するために該当データシートを用いていました。今日、プロジェクトとMCUの複雑化に伴い、MCUの性能と効率を評価することは非常に難しくなっています。全MCUベンダーのペリフェラルの効率を客観的に評価することはさらに困難です。」と述べました。さらに「我々はULPMark-PPでの最初の結果を見ることに興奮を覚えます。それは以前公表されたEEMBC ULPMark-CPでの結果に付加価値を与えるものです。」と補足しました。

STマイクロエレクトロニクス社システム・アーキテクト兼EEMBC IoT ワーキンググループ共同議長マーク・ワリス氏は「それぞれのアプリケーションには消費エネルギー、性能、コストについて異なるニーズがあるので、付加価値を有するマイコン・ベンチマークを策定するには、オニオンの皮を一枚ずつ剥くように、どのMCUがベストフィットかを調べる必要があります。」と述べました。「他の優れたEEMBCワーキング・グループ・チーム・メンバーとアプリケーション知識を共有し、EEMBCSTマイクロエレクトロニクス社の提案した消費エネルギー計測法を採用することになりました。それはベンチマーキングを容易にし、有意な結果を保証するものとなるでしょう。」と補足しました。

ULPMark-PP EEMBC ULPMark-CoreProfile (ULPMark-CPMCUコアのみの消費エネルギー効率を計測)を補足するベンチマークです。ULPMark-CPは毎秒簡単なCPUタスクを実行するためにウェイクアップし、その後、超低消費電力モードに戻ります。さらに両者のULPMark ベンチマークはEEMBC IoTMark-BLEMCU、無線、プロトコル・スタックを含むサブシステムの消費エネルギーを計測するベンチマーク) によって補足されます。さらにEEMBC SecureMarkというTLS(トランスポートレイヤセキュリティ), 楕円曲線暗号、AESのような基本的セキュリティ・プリミティブを用いて、近年のIoTデバイスで利用される暗号スイートを近似するセキュリティ・ベンチマークを間もなく提供する予定です。

 

EEMBCテクノロジー・ディレクタ ピーター・トレーリは「テスト効率を最大化するため、ULPMark, IoTMark, および SecureMark EEMBCの開発した IoTConnect ベンチマーク・フレームワークを用いています。このフレームワークはSTマイクロエレクトロニクス社の開発した消費エネルギー計測ツール(ハードウェア:提供予定)の使用を前提とします。これらは組み込みシステム・デザイナーが容易にアクセスできるものとなります。」と述べました。さらに「これらのEEMBCベンチマークは組み込みシステム・デザイナーおよび半導体メーカの双方の作業を容易にします。 つまり競合各社からの根拠のない主張を謎解きしたり正当化したりせず、業界標準ベンチマークの結果を使って、選定を容易にすることです。」と補足しました。

 

EEMBC会長マーカス・レビーは「ULPMark ワーキンググループは非常に恩恵のあるベンチマークを完成させました。しかしベンチマーク実行結果のないベンチマークプログラムは充電設備の環境のない電気自動車のようなものです。」と述べました。さらに「最初の ULPMark-PPのスコアによるとマイコン間で大きな消費エネルギー差のあることがわかりました。また電源電圧3.0Vで実行させるよりも1.8-2.0Vで実行した方が恩恵の高いこともわかりました。すべての組み込みシステムデザイナーがMCUベンダーに対してこの結果を公表するよう求めて下さい。ULPMark-PP スコア結果の表は、データシート仕様と運用時との比較に高い信憑性を与えるものです。」と補足しました。

 

ご興味のある会社にはEEMBC低消費電力分科会への加入、さらにULPMark, IoTMark,および SecureMark各ワーキング・グループへの参加を推奨します。

 

ワーキング・グループ・メンバー:Ambiq Micro, アナログ・デバイセズ, アーム, サイプレス・セミコンダクタ, Dialog Semiconductor, Flex, インテル, マイクロチップ, Nordic Semiconductor, NXP, オン・セミコンダクター, ルネサス, Silicon Labs, STマイクロエレクトロニクス, シノプシス, および テキサス・インスツルメンツ.

 

本件の詳細についてはEEMBCまで直接ご連絡下さい; www.eembc.org.

 

 

 

# # #

 

EEMBCについて

EEMBC は 組み込みシステムで用いるハードウェアおよびソフトウェアの性能ベンチマークを開発する目的で1997年設立されました。EEMBC ベンチマークはさまざまなアプリケーションで用いられる組み込み用プロセッサやシステムの性能や消費エネルギー量を予測することができます。(例:自動運転、モバイル・イメージング、IoT、スケールアウト・サーバ、モバイル・デバイス)特定機能・指標(プロセッサ・コア機能、浮動小数点、マルチコア、エネルギー消費量)

EEMBCメンバーリスト:Ambiq Micro, アナログ・デバイセズ, Andes Technology, アーム, C-Sky Microsystems, キャビウム, Codeplay, サイプレス・セミコンダクタ, デル, Dialog Semiconductor, Flex, グリーンヒルズ・ソフトウェア, 華為技術, IARシステムズ, インテル, マイクロチップ・テクノロジ, ノキア・ネットワークス, Nordic Semiconductor, NVIDIA, NXPセミコンダクタ, オン・セミコンダクタ, リアルテック・セミコンダクタ, ルネサス・エレクトロニクス, サムスン・エレクトロニクス, Silicon Labs, ソニー・インタラクティブエンタテインメント, STマイクロエレクトロニクス, シノプシス, テキサス・インスツルメンツおよびウインドリバー・システムズ

 

EEMBC および CoreMark the Embedded Microprocessor Benchmark Consortiumの登録商標です。その他の商標は該当各社に所有権があります。