カリフォルニア州エルドラド・ヒルズ -2006年8月7日― エンベデッド・マイクロプロセッサ・ベンチマーク・コンソーシアム(EEMBC)は本日、EEMBCの性能ベンチマークを実行したときのプロセッサの消費エネルギー量を測定する新しい業界標準EnergyBenchを用いた組み込みプロセッサの認定済みベンチマークスコアを始めて発表します。
この記念になるスコアを得たデバイスはAMD社Geode LX800@0.9W* 500MHz プロセッサです。このプロセッサはEnergyBenchとConsumerBench バージョン1.1を同時に実行させるアウト・オブ・ザ・ボックス環境でテストされました。ConsumerBenchを用いることで、デジタルスチルカメラ、プリンタ、ならびにその他のデジタル画像を取り扱う組み込みシステムのプロセッサ性能を近似することが可能となります。
AMD社Geode LX800@0.9Wプロセッサは、JPEG圧縮について毎秒18回のパスを実行、またRGBからCMYKへの変換については毎秒204回のパスを実行することができました。各処理についてカーネルのEnergyBenchスコアの平均値は、2.34W(RGBからYIQへの変換)から2.58W(JPEG解凍)となりました。プロセッサの消費する電力はプロセッサが取り扱う負荷の大きさにより変化し、Consumerbenchの場合その変動は最大で10%にもなります。
「一つの指標として用いるには、複数のプロセッサについてEnergyBenchの結果を比較することが1番利用価値のある方法ですが、AMD社GeodeLXプロセッサに関するこれらの結果はEnergyBenchの論理的な正しさを示すのに十分です。つまり、平均消費電力なるものは存在しないのです。」とEEMBC会長マーカス・レビーは述べています。「この事実は経験の長いシステム設計者にとって目新しいことではないが、システム設計者が実際に使われる組み込みプロセッサの消費電力特性について予測に反したことがないようにするためのツールになることでしょう。」とも述べています。
AMD社Geode LX800@0.9Wプロセッサは高性能を低消費電力で提供できるように設計されています。主な用途には、シンクライアント、双方向セットトップボックス、シングルボードコンピュータ(SBC)、携帯型アクセスデバイス(PAD)、モバイル・インターネット/エンターテイメントデバイスなどの小型機器があります。
「AMD社Geode LX800@0.9Wプロセッサは高性能・低消費電力の両方を実現するために1から設計されたファミリーなので、EnergyBenchでテストされる最初のプロセッサにふさわしい組み込みプロセッサです。」とAMD社エンベデッド・コンピューティング・ソリューション事業部ディレクター エリック・サロ氏は述べています。「EEMBCのConsumerBenchおよびEnergyBenchのスコアから、明らかにAMD社Geode LXプロセッサは、ワット当たりのエネルギーですばらしい性能の得られることがわかります。」
EEMBCはナショナルインスツルメンツ社製LabVIEWプラットフォームおよびデータ集録(DAQ)カードを用いてEnergyBenchをインプリメントしました。ターゲットボード上で性能ベンチマークを実行しながら、EnergyBenchはエリアスでない複数のサンプル周波数と適応型統計処理を用いることで1回のパス当たりの平均消費エネルギー量を計算します。DAQカードは電圧およびトリガーチャネルをサンプルし、ファイルにそれらのデータを書き込みます。EnergyBenchテストの結果は、ターゲットボード上で実行される性能ベンチマークカーネル負荷を用いた、1回のパスにおける平均消費エネルギー量になります。またユーザはEEMBCセットアップを用いてベンチマーク実行中の最小・最大消費エネルギー量データを検索をすることが可能です。
EEMBC技術センターにより検証・認定されたAMD社Geode LX800@0.9WプロセッサのConsumerBenchスコアレポートの詳細はwww.eembc.orgにあるEEMBCウェブサイトから無料でダウンロードすることが可能です。
EneryBenchはEEMBC性能ベンチマークスイーツと組み合わせたソースコードライセンスが可能です。詳細についてはwww.eembc.orgをご覧ください。
EEMBCについて
エンベデッド・マイクロプロセッサ・ベンチマーク・コンソーシアム(EEMBC)はシステム設計者が適切な組込みプロセッサを選択できるように、実用途に即したベンチマークを開発し、ベンチマークスコアを認定する団体です。EEMBCベンチマーク試験に提供されたプロセッサは、通信機器、ネットワーキング、民生機器、OA機器、車載・産業機器、組込みJava、ネットワークストレージの各用途に対応したそれぞれの負荷および能力を代表するパラメータについて認定が行われます。業界をリードする半導体ベンダー、IPベンダー、コンパイラベンダーの会員から構成されるEEMBCは、業界標準ベンチマークを確立し、EEMBC技術センターを通して認定スコアを提供します。
EEMBCの現在の会員は以下の通りです。アダプテック、アルテラ、AMCC、AMD, アナログ・デバイセズ、アーク・インターナショナル、アーム、アーティフェックス・ソフトウェア、アトメル、ブロードコム、コード・ソーサリ、エスマーテック、ファラデイ、フリースケール・セミコンダクタ、富士通マイクロエレクトロニクス、グリーンヒルズ・ソフトウェア、IARシステムズ、IBM、イマジネーション・テクノロジーズ、インプルーブ・システムズ、インフィニオン・テクノロジーズ、インテル、IPフレックス、LSIロジック、マーベル・セミコンダクタ、松下電器産業、メンター・グラフィックス、マイクロチップ・テクノロジーズ、MIPSテクノロジーズ、MQXエンベデッド、ナショナルインスツルメンツ、NECエレクトロニクス、ノキア、沖電気工業、パトリオット・サイエンティフィック、フィリップス・セミコンダクタ、PMCシエラ、クアルコム、レッドハット、ルネサス・テクノロジー、サンドブリッジ・テクノロジーズ、ソニー・コンピュータ・エンターテイメント、STマイクロエレクトロニクス、ストレッチ、サンマイクロシステムズ、テンシリカ、テキサス・インスツルメンツ、東芝、VIAテクノロジーズ、ウィンドリバー・システムズ。
EnergyBenchおよびConsumerBenchはEEMBCの商標です。EEMBCはEmbedded Microprocessor Benchmark Consortiumの登録商標です。AMD, Geodeおよびそれらの組み合わせはAdvanced Micro Devices Inc.社の商標です。その他の商標はそれぞれの会社に所有権があります。
*このプロセッサを500MHzで動作させた場合です。